ヒコーキの写真を撮っていて、やはり一番悩ましいのは超望遠と呼ばれるレンズがないこと。300mm+1.4xではEOS 5D MarkIIだと460mmなわけで、やはりもう少し欲しいなぁ、というところでした。
もっともお金はありませんから、どうしたものかと悶々としていて思い出したのが、「そういえば、オレ天体望遠鏡あるじゃん!」ということでした。というわけでクローゼットをゴソゴソやるとほぼ新品状態のBORG 100EDが出てきましたよ、と。これ買ったのは2003年だったような。しかも同時に望遠鏡をいくつも持っていたので、確か一度も使わずしまい込んでいたような(ごめんなさい)。このBORGシリーズはおもちゃ屋さんのトミーの子会社、トミーテックから出ている望遠鏡で安価ながらもパフォーマンスの優れた望遠鏡を輩出しているメーカーです。メーカー詳細はこちらをどうぞー。
自分のは100EDという一つ前のモデルなのですが、現在の101EDと同じく焦点距離は640mmですので、F6.4のレンズとして使えます。暗いし開放しかない、と思われるかもしれませんが、天体望遠鏡はもともと非常に遠くのものをクリアに映し出すために作られたもの。対物レンズの大きさも100mmもあるわけで、分解能は通常の小さな望遠レンズより遙かに上です。反面レンズの少なさによる収差が多いかも、という危惧もありますが100EDは対物レンズがアポクロマート(三枚)のため画質も期待できます。BORGはデジスコというキーワードで昔からデジカメとBORGをくっつけて遊ぼうぜ、と提案してきたメーカーなので、色々とそのやり方はWebで拝見できます(最近はデジボーグというようです)。ユーザーから寄せられた作例を見てみると、恐ろしき解像度で撮影されたカワセミや天体写真の数々を見ることができます。ちなみにこのレンズセットの価格は168,000円。600mmの望遠レンズよりは遙かに安いw。手ブレ補正もオートフォーカスもありませんので、当たり前っちゃ当たり前ですが。
というわけで、説明はさておき、さっそく望遠鏡にEOSをセット、と思ったのだがカメラマウントがないので装着できない。仕事を抜けだしカメラマウントを秋葉原のKYOEIというショップまで買いに行きました。なんとか装着できたのでまずは月を撮影してみることにします。最初はKissDXでやろうとしたのですがファインダーが小さいためピントが合っているかどうかがわからんちん。マニュアルフォーカスなんて久々なので、目が退化していますw。なので5D MarkIIにチェンジしてライブビューで拡大してピントを合わせるという技(ってほどのものでもない)を使いました。んでもって撮影したのがこの月です。等倍で切り出してあるので、実際にはもっと小さく写っています。
ちょっとピントが甘いというか640mmなのでブレているのかも。これでもシャッタースピードは1/800なのですが風が強かったこと、そしてピントが合わせづらい(しゃがんで上見ないといけないので)ってのもあったので、もう少しじっくりと撮影しないといけませんね。っていうか、もっとじっくりやりたかったのに邪魔が入りやがりました。
自分のすぐ家の前にある駐車場で撮影していたのですが、住宅地で望遠鏡使っているのが珍しいのか、誰かが110番しやがりまして(たぶん観察しにきた近所のオバサン)、パトカーがいらしてくださいました。まったくせちがらい世の中だぜ。お巡りさんには、写真見せればいいわけで理解してもらえましたけど、世の中の人はよほど自意識過剰なのか、と思えますよ。おりゃマンション覗いたりするほど他人に興味なんぞはありませんがな。まー物騒な世の中なので、過敏になるのもわからなくもないんですけどねぇ。というわけで雲も多いので、いったん撤収してまた後でやり直すことにしました。
あとはキヤノン純正のテレコンがそのままでは使えないので接点をマスクしてオバカなテレコンとしてあげないと使えないようです。もう少し月が沈みかけたら再チャレンジだだだ。でも久々に見る月のクレーターってやっぱりスゴいなぁ。
というわけで、テレコンつけて再挑戦。しかしながら雲が多く一枚テストで撮るのがやっとでした。
やはりピントを合わせるときにヘリコイドを回すとブレブレになってしまってピントを落ち着いて合わせることができません。ヘリコイドが付いているドローチューブのたわみで余計回しにくくなっているので、支えを用意するといった工夫をしないとダメですね。超望遠の世界になるとピントもシビアだなぁ…。896mmですから、致し方ないことではありますが。三脚、というか鏡筒を支えるところも別途どげんかせんといかん状態でありまする。
こんちは。
1年以上前の記事ですから、もう改良されているんでしょうね。
101EDをAF BORGで使用しています。35mm換算で1100mm位でしょうか。
>ピントを合わせるときにヘリコイドを回すとブレブレ・・
そうなんですか、MFじゃなくてAFならどうなんでしょうか?
天体撮影では三脚使用ですが、それ以外では手持ち撮影です。
AFというとAFユニットをつけたPENTAXのテレコン使用とかにしないといけないので、現状マニュアルのままです。ほんとはもっときちんとしたフォーカスを合わせられるパーツを買えばいいのでしょうけど、高いのでそのまま。最近は滅多に使わなくなりました。
内面の反射処理するのが面倒なもので…。