DJI Mavic Pro

MavicPro
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DJIからコンパクトなドローン、Mavicが9/27に発表された。ティザーである程度出ることはわかっていたし、リーク画像で折りたたみ式のドローンを出すのはすでに周知の事実だったわけだが、このタイミングで発表したことはDJIにとっては必要なことだったんだろう、と思う。

王者対王者の闘い

それはアクションカム界の巨人、GoProのドローンKarmaが発表されていたからでKarmaとまさにバッティングするドローンの領域をMavicPROも担うからだ。いわゆる「旅ドローン」としてこの二者はぶつかることになるだろう。

ただ、やはり二者の方向性はかなり違っている。DJIは商用ドローンにおいて世界一であるし、そのMavicPRO中心に述べていくが、まずはGoPro。

Karmaはアクションカムを「飛ばすこと、安定されることに特化した」ドローンと言える。その特徴も軽い・コンパクト・ジンバルとして活用できるといった形でエクストリームな領域でさまざまな形でアクションカムとして使うという進化形の提案。

Mavicで注目したところ

Mavicは従来のPhantomシリーズから下をカバーするべく抑えてきたセグメントになる。競合でいえばフランスのParrotの領域になるだろうか。この領域に上位機種のテクノロジーを惜しみなく注ぎ込み(一部では上位になるものもある)、まさにDJIのテクノロジーの現時点でのコストパフォーマンスを最強にしたものだ。デジタルカメラではよくある下克上レベルの惜しみないスペックを与えている。

7kmサポートする(日本では異なる)映像・制御リンクテクノロジーである、OcuSync伝送技術は従来のLightBridgeを越えているところもあるし、飛びながら動画・写真をダウンロードできるといった機能も装備している。HDクオリティで送出できるのであれば、このローコストなドローンを複数用意しておいて、多元中継に使うことなどカンタンにできるようになるだろう。

また、軽量なバッテリーで27分飛行できるのも特徴的である。実際には20分程度の飛行にとどめないと怖いところではあるが、余裕があることは安心できる。またバッテリーがコンパクトなことで、飛行機の中に何本でも持ち込めるメリットもある(Phantomクラスなら大丈夫だが)。しかもバッテリーが半額と安いので、複数本用意するのもそれほど難しくない。

そして、双方とも折りたためることで先に述べた「旅ドローン」としての特徴を強く訴求している。

旅ドローンの魅力

自分はすでにPhantom3・4(以下P3・P4)を使っているが、やはり移動時に持って行くのは気を遣う。バッグに入れて持って行くが、その大きさに辟易することがあるのでクルマ移動じゃなければ持って行くモチベーションが低い。仕事の時に使うので、そのときは別だが。

ちょっと自分の趣味であるダイビングの合間に飛ばす、なんてことをするのであればこのMavicで十分。畳んでいるモノを開き、飛ばすまで数分もかからないだろう(あまりイージーにやると落とす可能性が高まるので始業前点検は必要)。また、スマートフォンだけでコントロールできるのもよい。近場だけになるだろうが、セルフィ撮るモードなどで使うならこれで十分(トライポッドモードという室内や近場で撮影するモードがあるのがよい)。

さて、それでオマエは買うのか?

さて、ここまでかなり前のめりにMavicを説明してきたが、実際買うとなるとどうなのだ?という話になる。MavicProのDJI Mavic Pro Fly More Comboセット価格は、現在155,800円。Phantom4とセット内容は一緒ではないので単純比較できないが、Phantom4はバッテリー2本付属したセットは、170,532円だ。その差額は1万5千円くらい。アルミケースも付属しているセットだと差額は2万8千円になるが、それでも全体からすると2割ほどの差額。

ファーストドローンとしてどっちを選ぶか、というと安い方がいいのでMavicでいいと思うが、すでにPhantom4を持っているとなると、あまり食指が動かない。いや、かっこいいし、面白そうなので買っちゃうんだろうな、とは思うけど、絶対的な価格として16万弱は高いのは事実。

想定するちょっとした弱点

それと軽量なドローンの常だが、風には少々弱い。Phantom3・4でも個人的には5m/sくらい吹いてくると飛ばしたくない。以前10m/sくらいのときに一瞬だけ飛ばしてみたが、順風方向だとあっと言う間に飛んで行くし、戻ってこないという非常に怖い思いをした。Mavicだと5mくらいが運用限界になるだろうな、と思う。Phantomのマニュアルには10m/s以上は悪天候だから使うな、となっているが個人的にはその半分までが安心できる領域だ。

プロシューマレベルで使えるPhantomシリーズは、すでに実績もあるし応用力・コストパフォーマンスも高い。スタビリティも必要にして十分。ドローンを代表するドローンとして君臨しているのは自分が言うまでもない。

Mavicにしかない魅力も

もっともMavicは非常に興味をそそるDJI GOGGLEがある。これだけで買っちゃうかもしれない、と思うほど魅力的。ワイヤレスで運用できるのもステキすぎる。Phantomにもぜひ用意してもらいたいものである(HDMI出力つければ似たようなことできないこともないけど)。

と書いているうちにめっちゃ欲しくなってきたので、前述したように買うんだろうな、と思う。あとは、こんなに魅力的なドローンも、カンタンには都内などでは飛ばせないこと(室内なら大丈夫だけど)はしごく残念である。

実際に見てきた

たまたま9/29に秋葉原でDJIの展示会があるということで実際にMavicProを見る機会を得た。

はっきり言おう。買いだ。

予算をなんとかしてひねり出す気持ちになった。ギミックもしっかり。

カバーされているカメラ。カバーは外せる。

こういっちゃなんだが、安定性もよいし静か。このアキバのイベントで実際に飛んでいる映像はネット上に出ていると思うが、めちゃ安定しているし、従来のP4などに比べると静かである。室内で使おうと思えるレベル(P3とかは危なっかしくてそんなことできない)。


全体写真はこちらになるが、iPhone6を比べるとその大きさがわかると思う。コントローラはiPhoneのPlus系でも入るように少しアームの部分が広がるようになっているが、iPad miniはムリ。そのうちアタッチメントが出るかもしれないが、このコントローラの良さはスポイルしそう。

色々と疑問点を聞いてみた

さて、P3の性能は軽く凌駕していることは言うまでもないのだが、実際P4と比べてどうなんだろう?疑問に思う事を説明員に聞いてみた。

  • カメラにはフィルター類を付けられるの?
    • この構造上付けられるようにはなっていないと思う。今のところはない、として欲しい。
  • カメラの性能はP4と一緒?
    • いや、P4の方が性能は上。なお、P4はP3 PROFESSIONALよりも上だ。コンシューマレベルではP4が一番画質はいいはずだ。
  • 7キロも飛ぶの?
    • 日本の電波法の関係上4キロになる。LightBridge2より高性能とはっきりとは言えない(って言ってたような)。
  • ゴーグルはいつ出るの?
    • まだ未定。日本ではFPVが許可制なので出すのかも現時点では不明(えー残念…。売ってよ~)。
  • 耐風性は?
    • スペックでは説明していないが、10m/sということにしている。P4とスペック上は一緒だが、やはり軽いのでそういうシチュエーションではP4に分がある(そりゃそうだ)。

ということだった。NDフィルターなどを付けられないと映像制作ではちと困るが、そこまでちゃんとやるならP4なりInspire持って行けってことでもある。ライトユースにフォーカスしているのだから、そこらへんはトレードオフだね。

その他気になったことも聞いてみた

さて、仕事で使うシチュエーションを考えると、早くInspire 2(RAW)を出して欲しい。ということで、こっそり(でもないけど)聞いてみた。Inspire 2はまだなの?って。

答えは「期待してて」だそうな。というわけでめちゃくちゃ期待することにするw

欲を言えばA3 PRO(フライトコントローラ)を装備したものを期待…と言ったけど、さすがにそれはムリっぽい。MATRICE買ってね、ということだ。もっともコントローラのバックアップシステムはある(Mavicもそう)ということなので、そこはそれで納得しておこう。

個人的にはInspire 2も出荷即予約したい。これが出ると業務撮影用ドローンはInspire 2が席巻するだろうな、と思うんだが(もっと上位のMATRICE 600とかもあるが、飛ばすには大げさな準備が必要となるし、映画、テレビ局やプロダクションレベルじゃないと運用できない)。風に対する安定性、撮影の自由度を考えると新しいInspire 2を楽しみにしている。

余談

ちなみに、モーターの寿命ってどのくらい?と聞いたところ、DJIのエンジニアが言うには基本的に寿命はない、とのこと。ブラシレスだから消耗する部分はない、ってことだった。もちろん、バランスの悪いペラを使って異常振動させたりしてベアリングを痛める可能性はあるとは思うが、それはちょっと回した段階でチェックできるわけだから、安心した。

ただし、中にホコリだの砂だの入ると壊れます、また衝撃を与えた場合にも、という注意はいただいた。そりゃ寿命じゃなくて「破壊している」ので納得するしかない。

※国土交通省的には60時間を機体の寿命とする、とか言っているようだが、そんな脆くはないってことだった。

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