さて8月末に納車されたFXFBS。クソ暑い日だった。電車でハーレーダビッドソン埼玉花園まで行くには自宅のある品川から、池袋経由で東武東上線で寄居まで行くことになる。うちから2時間程度はかかるのでそんなに近くはない。寄居なんて初めて降りた駅である。
納車に関しては付属するパーツや保証関連の説明などをしてもらう。ハーレーダビッドソンの中古車はハーレーダビッドソンの正規販売店で買った場合には新車の保証が残っていると、そのまま引き継げるようだ(※もし新車の延長保証をしたい場合には購入から三か月以内にする必要があるそう。したい場合には早めにしよう)。
エンジンキーの代わりになるフォブを受け取り(カギというか電子キー)、キルスイッチをオンにしてエンジンをかける。普通のバイクと違って儀式めいた、キーを差し込んで回すという手順がないため若干寂しい感じか。
乗り心地
前回も書いたが乗って走り出すと乗り心地はめちゃくちゃよい。FXFBSのシートが極厚なのも相まって、こんなに快適なロードスポーツもあるんだね…と感心するほど。
フロントとリヤのタイヤが16インチであるためか、非常に曲がりやすい。安定さを失っている機敏さではなくしっとりかつ曲げたいときにはすぅっと曲がってくれる。883Nとばかり比べて恐縮だが、883Nはフロントが19インチもあるため曲がるときはジャイロ効果を感じてまっすぐ行きそうな印象を与えてくる。直進性が強いというか高速道路だと楽ちんではあるのだが。
それに比べるとスパスパと曲がりたい方向に曲がる。パタンといきなり倒れるのではなくうまく意思とシンクロしてくれる。
パワー
受け取ってすぐに高速に乗り、友人宅のある軽井沢へ向かう。高速道路では持っているパワーをすべて使い切れるわけではないのだが一般道よりは電子スロットルをワイドオープンにできる。
加速車線でちょっと捻るだけでレブカウンターが5千回転を越えて回ろうとしてリミッターにぶち当たる。そのときカラダは後ろに持って行かれるがよくできたシートにお尻がホールドされるため振り落とされることはない。
大排気量バイクに一番必要なスタッフ…資質は自制心かもしれない、と思いつつ快適に走る。自制心を失えば軽く200キロなど出てしまうだろうし、その速度域でもマシン本体は余裕だろう。乗っている人間は風圧と戦うことになるだろうが。
ポジション
FXFBSで少し困るのは独特なライディングポジション。ハーレーダビッドソン独特とも言える、足を前に投げ出して乗るフォワードコントロールポジション(フォワコン)。のんびり走るときはいいんだけど120キロ程度から足の裏に風圧を感じて足がズレるというか、一度外すと元に戻せない笑
883Nの時のポジションは足を前に投げ出さない下に落とすポジションだからこういったことでは困らなかった。もっとも883Nは足つきが良すぎるために足があまりニーグリップなんかできないから足を開くいわゆるがに股ポジションになるのだが。
FXFBSのフォワコンのときはニーグリップは左はできる。右側はエアクリーナーに当たるのでタンクではなくてエアクリでニーグリップする。しなくても安定してるというか、少しだけ内股を心がけて、くるぶしでグリップするイメージでいいのだが。
エンジンフィール
あと、エンジンはとてもスムースネスだと思う。インラインフォーのエンジンと比べれば振動はあるのかもしれないが、Vツイン、V型2気筒とは思えないほどスムーズに軽やかに回る。
スポーツスターのエンジンはエボリューションエンジンというこれまた古いタイプのエンジンだが、こちらは多少がさつな回り方をする。かといってある程度以上の回転数ならドコドコ感なんてなくビイーンという感覚で回るのだけど。
ミルウォーキーエイトは本当に2気筒なのかな?と思うくらいだ。高めのギアで走れば若干のドコドコ感はあるかもしれないが、割とノックしやすい印象。ただ、スリッパークラッチは入ってるのかな?と思うほど一速に入れたときの衝撃は大きめ。暖まってくるとそれほどでもないのだが。
とにかくすぐ買い換えることは現時点では考えてないので数年は楽しもうと思う。
総評
このファットボブ、過去のモデルもそうなのだがハーレーダビッドソンの中では若干異端児スタンス。一つ前のモデルはデュアルヘッドライトだったし、このモデルは唯一角目である。ボバー的な立ち位置ではあるがスリムに比べると未来的なフォルム。ハーレー好きな人の中でも一番好き嫌いが分かれるタイプかもしれないなと思う。
下取りもあんまりよくないかもしれないね(笑)。そんなことは気にしてないが。ただ、金色のパーツをなんで使うんだろう?とは思うけど。カスタマイズ前提がハーレーだからそこは好きにいじくればいいのだ。
その他感想など
オートバイって本当に贅沢な乗り物というか実用的な部分とかけ離れている乗り物だと思う。旅客機が普通のクルマなら、オートバイは戦闘機。でかいエンジンがたった一人のために働くという構造は少しアンバランス。
今乗っているシビックは1500ccターボだが、このFXFBSは1868ccでノンターボとは言えわずか400キロ未満のためにパワーを発揮する。シビックはトータル1500キロを越えるものを150PSで駆動する。普通車に比べれば俊敏ではあるがオートバイにはかなうわけもない。
大排気量車はこんな不必要なパワーを制御しながら(400ccだろうと同じようなもんだが)乗る歪さを感じるのである。
さらにハーレーダビッドソンに乗っていて思うことは、ローランドじゃないけどオートバイは「ハーレーダビッドソンがそれ以外か」だと思う。
ドゥカティとかトライアンフ乗りの人は、ハーレーダビッドソンをそれぞれのメーカに置き換えてもいい。あと異論は認めるので好きなメーカでも何でも入れてくれ。国産車だとスズキ、カワサキがこの傾向強めかもね。
今はハーレーダビッドソン乗りなので、とりあえずこの文言でいく。他のメーカに比べると個性は際立っていて、ハーレーに乗りたいから免許取ったという人は少なからずいると思うし(他メーカーでも皆無ではないだろうが)、オートバイと言えばハーレーを思い浮かべる人も多いはず。いいイメージあんまりなくて悪いイメージ多いかなとも思うが。
ハーレーダビッドソンではない国産車、ホンダやヤマハ、スズキはフルラインナップメーカであるからこういうイメージ薄めなのかなと考えてはいる。ハーレーがスクーターとか125ccのハンターハーレーとか出したら違うかもしれないけど。
もうすぐハーレーもアドベンチャーバイク出すみたいだし、だんだんツーリングモデルやチョッパーっぽいイメージもなくなるのかな。電動バイク、LiveWireとか見てるとハーレーもラインナップが現代的になってるなーと思ったり。
ストリート750とかLiveWireは似ているデザインだな、なんてことをつらつらと思いつつ、ファーストインプレッションは終わり。